2007年7月12日木曜日

ビジネスの基本・・マーケティングPART19

「失敗の法則」・・・失敗はあらかじめ予期することもできるし、また受け入れることもできる。受け入れるとは、失敗は失敗として認めること。

大抵、企業では何とか取り繕ってみようとします。「この状況を打開するために、もう一度立て直しを図ろう。」とするわけです。

本来は、早いうちに失敗を認め、損害をできる限り最少に抑えることがベストです。しかし、この失敗の責任を負いたくないが一心に、悪あがきをしてしまいます。日本では「この失敗は誰か?」と尋ねると「みんなです!」と回答され、そこが日本的な良い面でもありますし、悪い面でもあると言えます。過ちは素直に認め、最小限の損害で、手直しを加えて、素知らぬ顔で市場に舞い戻ってくるのが上手いと言えます。


ウォルマートをご存じかと思います。世界最大の小売店です。この企業は「失敗」に関してどのように対処するか、を企業の理念から持っています。

サム・ウォルトンの「構え、撃て、狙え」の手法です。


ウォルトンは射撃と同じように、誰もが毎回標的に命中させることはできない、ことを知っていました。だから、ウォルマートでは新しい企画に失敗しても罰せられることがありません。

「何かを学び、何かを試みれば、その人間は何かを得るはずだ。許せないのは、同じ間違いを2度犯す人間である」とウォルマート社長は言っています。

またウォルマートの企業体質の中で、意志決定を下すキャリアからの圧力や、競争状況や競合に与えるインパクトを第一に考えないことが、マーケティングの制約を無くし、自由度を上げています。

このような社内・社外の圧力を排除する手としては、スリーエムが「チャンピオンシステム」という手法を使っています。

これは、新製品や新事業の成功によって利益を得る人物を公表するものです。ポストイットの発明は、アート・フライという科学者で、発売まで10年もかかりました。
マーケッティング責任者は、新製品のメリットは何か、に基ずいて判断
することが望ましいと言えます。

2007年7月9日月曜日

ビジネスの基本・・マーケティングPART18


「成功油断」の法則・・一般的に成功すると傲慢になり、傲慢が失敗を呼び込むものです。

マーケティングを実践する上での心得の中で、最も大切なのは「客観性」です。成功すると大抵のマーケッターは傲慢になり、客観性を失うことで失敗するパターンが数多く見られます。

ドナルド・トランプは不動産王として名を馳せましたが、彼の戦略は「ライン拡張」というまさに基本的なマーケティングミスを犯し、あらゆる不動産などに自分の名前を付けました。製品ラインの拡張の誘惑に抗しきれずに、企業は成功したブランドネーム(ブランドネームのおかげで成功したと勘違いしてしまう)を付けたがります。本来は顧客の心をつかんだマーケティング戦略が成功のポイントなのですが、それを一切合財忘れてしまうのが問題です。

優秀なマーケッターは顧客の立場にたって考えることができます。自分自身の世界観を他者に押しつけることはしません。
DEC(デジタル・エクイップメント社)の創始者ケネス・オルセンは、成功を機にオルセン自らのコンピューター観を市場に押しつける愚を犯しました。当社はゼロから初めて140億ドルの大企業へと成長したのですが、パーソナルコンピューターや、オープンシステムなど今では当たり前の製品・システムを無視したわけです。
今ではDECは見る影すらありません。
企業のこのような愚かな行為は、大抵は経営者・・しかもトップ(CEO)に責任があります。企業が大きくなればなるほど、CEOが最前線の現場のユーザーの声を掴もうとしなくなります。最悪なのは、良いニュースしか聞きたくなくなり、悪いニュースを部下も伝えられないような環境を作る場合が多々あります。
マーケティングは下っ端に任せるような軽々しいものではありません。企業の一大決定に関する重要な業務なのですが、得てしてそんな時間が無い、という多忙な経営者が多いことも失敗の要因となります。
「初心忘れるべからず」「百聞は一見にしかず」ですね。

2007年7月6日金曜日

ビジネスの基本・・マーケティングPART17

「予測不能」の法則・・自分自身が競合のマーケティング戦略計画を作成・実行しているのでない限り、将来の予測は不可能。

マーケティングプランには大抵、将来の仮説が含まれていますが、将来の予測を基にして「こうなるだろう、こうなるはずだ」という考えから計画を立てるとたいがい失敗します。それは、競合(代用も含めて)の動きがわからないからです。

一般的に企業は四半期ごとの決算報告書を一区切りにして生きていますが、数字のみによって生きる会社は数字のために滅びるものです。

短期的な計画を重視し、競合との差別化の切り口・表現・アイディアを考えた後に、長期的な目標を立案すべきで、長期的な計画は失敗に終わってしまいます。

言わずと知れた「ドミノピザ」では、CEOのトム・モーガンは短期的な切り口として「宅配」に的を絞りました。素早く・効率的にピザを配送するシステムを作ったのです。彼の長期目標は、全国的な宅配チェーンを築くことで、数字的な計画ではありませんでした。トム・モーガンはよくある10年長期計画など無しに40%の市場シェアを獲得し、26億ドルもの巨大企業に成長させました。



将来の予測はできないですが、マーケッターは「トレンド」を掴むことなら可能です。


ただ、トレンドは推定される上で、その期間を端的に企業側が決めてしまうリスクがあります。トレンドを見て、いきなり結論に飛びつくのは間違いです。常に予期せぬ出来事が発生するからです。



ゼロックスも言わずと知れた大企業ですが、このゼロックスが普通紙コピー機を市場導入する際に行ったリサーチで、1枚1.5セントで得られる感熱紙と1枚5セントの普通紙と比較して、ユーザーは約3倍のコストを出して普通紙コピーはしないだろうという結論が出たのですが、ゼロックスはこのリサーチ結果を無視して、普通紙コピー機を市場導入しました。結果は今のコピー機を見れば明らかです。

このようにリサーチによる結果や、トレンドの早急な結論付けをするのではなく、関係スタッフが柔軟な考えを元にマーケティング戦略を立案することは非常に重要です。予期せぬ将来に対してその都度、修正をかけながら進むことができるからです。